九月も中旬に入って、庭の畑も夏野菜から冬野菜の準備へとかわった。冬野菜は鞍馬大根とほうれん草、水菜に春菊に小松菜と大好きな野菜ばかりだ。もう小さな芽が顔を出していて収穫が楽しみで仕方がない。
畑を占領していた夏野菜たちも、きゅうりが終わり、トマトが終わり、スイカが終わり、残すところはピーマンが少しと万願寺とうがらしのみとなった。ピーマンも万願寺とうがらしも最盛期は過ぎているので、茎についているものが終れば次に食べられるのは来年の夏だ。ピーマンはスーパーに行けば当たり前のように年中並んでいるし、それらをもちろん買って食べているのだけれども、やはり庭の畑でせっせと育てたピーマンとは何もかもが違う。
そういえば、以前どこかで「昔のトマトは甘くておいしかった」という話しを聞いたことがある。トマトは収穫してからも赤くなるので、おそらく畑で十分に熟す前に収穫し、店頭に並ぶまでの期間で赤くなっているのだと思う。畑でおひさんをたっぷり浴びてから収穫したトマトは、昔と変わらずもの凄く甘い。トマトにしても、他の野菜にしても、形は小さくて不格好でも安全で本当においしい野菜が食べられることがうれしい。
この頃すっかり朝晩が肌寒くなったが、夏の日差しを思い出しながらトウガラシを食べた。万願寺とうがらしは唐辛子という名前のわりに辛くないとうがらし。包丁で数カ所切り目を入れてからフライパンで炒める。みりんとお酒とお醤油を入れて少ししんなりしてきたら少量の水を入れて炒め煮に。器に盛りつけたら鰹節をかけると完成。万願寺とうがらしの代わりにピーマンで作ってもおいしい。